みなさんこんにちは。まーきゅりーです。

これまで、日経平均-NYダウ手法、TOPIX-S&P500手法、ゴトー日仲値トレードの実績や、生成AIとの付き合い方、自動売買への道筋についてお伝えしてきました。今回は少し立ち止まって、そもそも私がなぜこうした手法でトレードをしているのか、という前提の部分を整理してみようと思います。キーワードは「アノマリー」です。

日経平均が陽線ならNYダウを買う。ゴトー日の仲値にかけてポジションを持つ。こうしたルールを聞いて、「なぜそれで勝てるのか」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。私自身、明快な因果関係を100%説明できるとは思っていません。それでも5年ほどこの手法を続けているのは、これらが「アノマリー」と呼ばれる、統計的に観測されてきた値動きの偏りに基づいているからです。

アノマリーとは何か

アノマリーとは、理論的にはうまく説明しきれないものの、経験則として観測される市場の規則性のことです。1月効果やセルインメイ、小型株効果など、株式市場には昔からさまざまなアノマリーが知られています。効率的市場仮説の考え方からすれば、こうした偏りは本来すぐに裁定取引によって消されてしまうはずなのですが、現実にはある程度の期間、観測され続けるものも存在します。

私が使っている二つの手法も、この意味でのアノマリーに乗っかったものです。

日経平均-NYダウ手法・TOPIX-S&P500手法は、日経平均(またはTOPIX)の日足の陽線・陰線を見て、連動しやすいNYダウ(またはS&P500)を売買するというものです。日本市場の値動きが、時差を挟んだ米国市場にも波及しやすいという相関を利用しています。

ゴトー日仲値トレードは、毎月5日・10日・15日・20日・25日・月末の仲値決定時刻付近で、実需のドル買い・ドル売りが集中しやすいという値動きの偏りを利用しています。

どちらも「なぜそうなるのか」についてはそれらしい仮説がありますが、それが完全に証明された因果関係かと言われると、正直なところそうではありません。あくまで「これまでのところ、そういう傾向が観測されている」という程度の足場の上に立っている手法だということは、自分でも意識しておきたいところです。

アノマリーの強み

こうした手法の強みは、判断基準がシンプルで明確なことです。陽線か陰線か、ゴトー日かどうかという条件は誰が見ても同じ結論になり、裁量の入り込む余地がほとんどありません。

この明確さは、検証のしやすさにも直結します。過去のデータに当てはめてバックテストを行い、勝率や損益を数値で確認できますし、生成AIにコードを書かせて検証作業を効率化する、といった話も以前の記事で触れました。相場の値動きの理由を毎回逐一分析しなくても、決まったルールに沿って淡々とトレードできるというのは、裁量トレードにはない安心感でもあります。

アノマリーの弱み・注意点

一方で、アノマリーには注意しておくべき弱点もいくつかあります。

一つは、少ない回数の結果だけを見て結論を急ぐと、根拠の薄い自信につながりやすいことです。「金曜日かつゴトー日は勝率が高い」というアノマリーは、6月は2戦2敗、7月は5戦4勝と勝率を裏付ける結果が続いていましたが、8月は金曜日のトレードが1回しかなく、しかもそれが月間最大の損失になりました。数回の結果だけを見て「効く」「効かない」と判断するのは早計で、ある程度の期間データを積み重ねてから評価すべきだという、当たり前のようで見落としがちな教訓です。

もう一つは、その日その日の環境要因によって、アノマリーがそのまま機能しないことがある点です。8月のゴトー日仲値トレードでは、米国の物価指標発表を控えた様子見ムードの中、実需のドル買いが期待したほど機能しなかった日がありました。株価指数CFD両手法についても、8月は日経平均-NYダウ手法の勝率が6月・7月の66.7%から35.0%まで落ち込み、両手法とも理論値がマイナスに転じるという、ブログ再開後では初めての月になりました。アノマリーは「毎回機能する法則」ではなく、あくまで「機能しやすい傾向」でしかない、ということを月々の実績が物語っています。

そしてもう一つ、より根本的な注意点として、アノマリーは裁定取引によっていつか解消されうるという性質も忘れてはいけません。ある値動きの偏りが広く知られるようになれば、それを利用しようとする参加者が増え、結果としてその偏り自体が薄れていく可能性があります。今機能しているからといって、この先もずっと機能し続ける保証はどこにもありません。

アノマリーとどう付き合うか

では、こうした弱みを踏まえた上で、アノマリーに基づく手法とどう付き合っていけばよいのでしょうか。

私が意識しているのは、まず理論値と実践の結果を記録し続け、検証を怠らないことです。月ごとの実績報告は、単なる収支の記録ではなく、アノマリーが今もきちんと機能しているかを確認する作業でもあります。

また、一つのアノマリーに依存しすぎないことも大事にしています。日経平均-NYダウ手法、TOPIX-S&P500手法、ゴトー日仲値トレードと複数の手法を並行しているのは、どれか一つが機能しなくなったときに、全体の成績が一気に崩れることを避けたいという考えからです。

そして何より、効かなくなった兆候にできるだけ早く気づけるよう、継続的にモニタリングする姿勢を保つことだと思っています。曜日別の勝率など、まだきちんと調べられていない切り口は他にもあるはずなので、いずれ一つずつ検証していきたいと考えています。

まとめ

アノマリーを利用した手法は、明確なルールで淡々とトレードできるという強みがある一方で、それはあくまで「今のところ観測されている傾向」に過ぎず、絶対的な法則ではありません。この立場を忘れずに保ち続けることが、アノマリーと付き合う上で一番大事なことだと思っています。

これからも理論値と実践の記録を続けながら、機能しなくなった兆候があればすぐにこのブログで共有していきます。引き続きよろしくお願いいたします。