みなさんこんにちは。まーきゅりーです。

これまで、日経平均-NYダウ手法、TOPIX-S&P500手法、そしてFXゴトー日仲値トレードの実績をレポートという形でお伝えしてきました。今回は少し毛色を変えて、これらの手法に生成AIをどう組み込んでいるか、という話をしてみようと思います。



生成AIが話題になって久しいですが、「今日は買いですか、売りですか」とAIに聞けば答えが返ってくる、というような使い方を期待している方も多いのではないでしょうか。私自身、最初はそういう使い方を思い浮かべていました。ですが、すでにルールが固まっている手法にとって、それは実はあまり向いている使い方ではありません。

まず手法を簡単に振り返っておきます。日経平均-NYダウ手法は、日経平均の日足の陽線・陰線を確認し、陽線ならNYダウを買い、陰線なら売りを行うデイトレード手法です。TOPIX-S&P500手法は、日経平均の代わりにTOPIXを、NYダウの代わりにS&P500を使う、考え方は同じ手法になります。ゴトー日仲値トレードは、毎月5日・10日・15日・20日・25日・月末の仲値決定時刻付近の値動きを狙う手法です。いずれも、判断の材料になる条件があらかじめ定義されている、という点は共通しています。

シグナルそのものをAIに聞くのは向いていない

日経平均-NYダウ手法もTOPIX-S&P500手法も、判断材料は「陽線か陰線か」という一点だけです。ここにAIの出番はほとんどありません。陽線・陰線の判定に迷いが生じることはなく、解釈の余地を持ち込む必要もないからです。

ゴトー日仲値トレードについても同じことが言えます。「金曜日かつゴトー日」というパターンは、茨城大学の研究によれば約63.4%の確率で仲値にかけてドル高に動く、統計的に裏付けのあるアノマリーです。条件はすでに定義されていて、あとはその条件に当てはまるかどうかを確認するだけです。ここでAIに「今日は買いですか」と尋ねても、手法の外にある情報を持ち込まれるだけで、むしろ手法の再現性を崩す方向に働きかねません。

つまり、これらの手法において生成AIをシグナル生成係として使うのは筋が悪い、というのが最初に押さえておきたい前提です。では、どこに使えるのか。ここから先が本題です。

理論値と実践の乖離を分析する壁打ち相手として使う

6月の実績では、日経平均-NYダウ手法は理論値24,940円に対して実践12,450円、TOPIX-S&P500手法は理論値1,516円に対して実践1,020円という結果になりました。いずれも理論値から実践への落ち込みが見られており、これはスプレッド・スリッページ・取引時間帯の流動性など、複数の要因が絡んでいると考えられます。

こうした乖離要因を洗い出す作業は、生成AIとの壁打ちに向いています。「日経平均-NYダウ手法で理論値と実践の差が月間12,490円出ている。約定単価と現物の始値・終値を比較して、差が大きく開いた日の傾向を洗い出して」というように、具体的な数字を渡しながら整理させる使い方です。自分だけで考えていると見落としがちな切り口を、AIとのやり取りの中で拾えることがあります。

ここで大事なのは、AIが出してきた仮説をそのまま結論にしないことです。あくまで仮説の幅を広げるための壁打ち相手であって、最終的にその仮説が正しいかどうかを確かめるのは自分の役目だと私は考えています。

バックテスト・統計検証のコード化に使う

「金曜日かつゴトー日は勝率が高い」というアノマリーも、「日経平均の陽線・陰線とNYダウの値動きには相関がある」という前提も、口で言うのは簡単ですが、自分の手元のデータで検証しようとすると思いのほか手間がかかります。ここは生成AIにコードを書かせるのが素直に効きます。

たとえば「日付・曜日・仲値決定前後の値動きが入ったCSVから、金曜日かつゴトー日の勝率を集計するPythonコードを書いて」「日本とアメリカの祝日を除外する条件を入れて」というように、条件を一つずつ言葉で渡していけば、検証用のコードの叩き台がすぐにできあがります。ゼロから書く必要はなく、書かせたコードを自分のデータに当てて、出てきた数字が実感と合っているかを確認する、という使い方です。

こうした検証作業を自分の手だけでやろうとすると、腰が重くなってつい後回しにしてしまいがちです。生成AIを使えば、その一歩目のハードルをかなり下げられます。

実績記録・レポート作成の効率化に使う

月次の実績表を作るとき、理論値と実践の両方を集計し、勝率や累積損益を計算し、それを文章にまとめる、という一連の作業があります。この集計から文章化までの流れも、生成AIに手伝わせやすい部分です。

たとえば6月19日は、「金曜日かつゴトー日」というアノマリーが理論通りに機能した一方で、財務相の円安牽制発言や介入警戒、米国の祝日による流動性低下といった要因が重なり、-1,520円という大きな損失につながった日でした。このように、単純な「アノマリー通りだったか、外れたか」では片づけられない日の背景を整理するとき、その日に起きた出来事を時系列で並べさせたり、要因ごとに切り分けて文章化させたりする作業は、生成AIに任せることで格段に速くなります。

数字の集計自体は自分の手元のデータが基準になるので任せきりにはできませんが、集計結果をどう文章として伝えるか、という部分は生成AIとの相性が良い作業だと感じています。

気をつけたいこと

ここまで生成AIの使い道を紹介してきましたが、一つだけ強調しておきたいことがあります。生成AIによる分析やコメントを、そのまま「今後の売買判断」としてブログやSNSで発信することには注意が必要です。特定の売買のタイミングを助言するような発信の仕方は、投資助言・代理業の規制に触れるリスクがあります。

この記事で紹介してきた使い方は、あくまで自分の手法を、すでに決まったルールの範囲内で検証し、記録し、振り返るための補助として生成AIを使う、という位置づけです。AIの出力を鵜呑みにせず、最終的な判断や、公開する数字の裏取りは自分で行う。この一線は今後も引き続き意識していきたいと思います。

まとめ

生成AIは、新しい売買シグナルを教えてくれる存在ではありません。少なくとも、日経平均-NYダウ手法、TOPIX-S&P500手法、ゴトー日仲値トレードのように、すでにルールが固まっている手法にとっては、乖離要因を洗い出し、検証コードを叩き、実績を言葉にまとめる、いわば手法を磨き続けるための相棒として使うのが一番実践的だ、というのが今回お伝えしたかったことです。

今後のレポートでも、こうした使い方を試しながら、良かった点・うまくいかなかった点を合わせてお伝えしていきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。